以前、大腸内視鏡検査を受けてポリープが見つかったという記事を書いた。

胃カメラ・大腸内視鏡検査の体験談|血便をきっかけに15mmポリープが見つかった話 【この記事について】 この記事は、私が初めて胃カメラ・大腸カメラを受けた時の体験記です。 この時点では「大腸ポリープ...

検査は年末に受け、その約2ヶ月後に内視鏡による切除治療、いわゆるポリペクトミー、略してポリペクの予約を取った。

時が経つのは早いもので、いよいよ明日がその当日である。

基本的には、通常の大腸内視鏡検査と変わらないのだが、大きい病院では入院して治療することになるため、ご多分に洩れず私も明日から入院する。

入院といえど、朝から下剤を飲んで腸をキレイにしなければならないのは前回やった検査の時と同じ。

この洗腸の過程が大変なわけだが、前日の食事に気を使うと思いのほか早く済むというのが前回の検査時に得た経験だ。

病院によっては検査食の指定をされるところもあるが、指定がないところも多く、実際の食事は個人のさじ加減に任されるため、どうしたらいいか迷う諸氏もいるだろう。

妻からも、

「明日はどんなものを用意すればいいの?」

と聞かれた。

その時に「野菜とか、きのことか、海藻とか、ごまとか、種のあるものは避けて、適当に消化の良さそうな感じで」と答えたのだが、今思えばそれでは分かりにくい。

妻よ、悩ませてすまん。

ということで、この記事では、僕が大腸ポリープ切除前日、そしてその後のフォロー検査前日に実際に食べたものを公開していく。

通常の大腸内視鏡検査を受ける場合にも、基本的な考え方は同じなので参考になれば幸いである。

この記事を読む前に

医療機関によって、検査前日の食事や飲み物の指示は異なります。

最終的には、検査を受ける施設から渡された説明書やその指示を必ず優先してください。

大腸内視鏡検査前日は「白くて、やわらかくて、残りにくいもの」が基本

まず結論から言うと、大腸内視鏡検査前日の食事は、いわゆる低残渣食を意識するのが基本になる。

低残渣食とは、簡単に言えば、腸の中に食べかすが残りにくい食事のこと。

イメージとしては、白米、おかゆ、素うどん、食パン、卵、豆腐、白身魚、脂の少ない鶏肉のような、白くて、やわらかくて、消化に良さそうなものである。

一方で、避けたいのは、野菜、きのこ、海藻、こんにゃく、ごま、ナッツ、玄米・雑穀米、種や皮のある果物、脂っこいものといった、繊維質が多いものや腸に残りやすいものだ。

迷う場合には、専用の検査食を使うのが一番簡単だと思う。自分で食材を選ばなくていいので、うっかりNG食材を食べてしまうリスクも減らせる。

とはいえ、私のように検査食の指定がない場合や、普段の食材で済ませたい場合もあるだろう。

以下、実際に食べたものを紹介する。

大腸内視鏡検査前日のOK食品・NG食品一覧

まずは、食べてもよさそうなもの、避けたいものを一覧表にしておく。

ただし、これはあくまで一般的な目安である。乳製品、果物、コーヒーなどは施設によって指示が分かれることがあるので、必ず自分が検査を受ける医療機関の説明書を確認してほしい。

分類 OK食品の目安 NG食品の目安 コメント
主食 白米、おかゆ、素うどん、そうめん、白い食パン、ロールパン 玄米、雑穀米、全粒粉パン、ライ麦パン、そば、シリアル 白くて消化しやすい主食が基本。玄米や雑穀は普段は健康的だが、検査前日は避けたい。
たんぱく質 卵、豆腐、白身魚、鶏ささみ、皮なし鶏むね肉 脂身の多い肉、ベーコン、ソーセージ、揚げ物、脂の多い魚 脂質が多い食品は消化に時間がかかりやすいので、脂の少ないものを選ぶ。
野菜・きのこ・海藻 基本的には控えめ。施設によっては皮をむいて柔らかく煮たじゃがいもなどが可の場合もある ごぼう、れんこん、キャベツ、葉物野菜、きのこ、わかめ、ひじき、こんにゃく 普段は健康的な食材でも、検査前日は腸に残りやすいので注意。
果物 熟したバナナ少量、皮なしりんご少量など。ただし施設指示優先 キウイ、いちご、ぶどう、トマト、スイカなど種や皮があるもの 種や皮は腸に残りやすい。果物を食べるなら朝から昼に少量が無難。
間食 プリン、果肉なしゼリー、カステラ、プレーンヨーグルトなど。ただし乳製品は施設指示優先 ナッツ、ごま、果肉入りゼリー、果肉入りヨーグルト、シリアル、スナック菓子 粒、種、果肉、ナッツが入っているものは避ける。
汁物 具なし味噌汁、具なしスープ、コンソメスープ わかめ味噌汁、きのこスープ、野菜スープ、豚汁 汁物は水分補給にもなるが、具材に注意。具なしが分かりやすい。
飲み物 水、お茶、スポーツドリンク、紅茶、透明な飲料など アルコール、野菜ジュース、果肉入りジュース、ミルク入り飲料 アルコールは避ける。コーヒーや牛乳は施設によって指示が分かれる。
調味料・トッピング 塩、少量の醤油、だし ごま、海苔、ネギ、七味、ラー油、天かす うどんやおにぎりでも、薬味やトッピングが盲点になりやすい。

要するに、消化されにくく腸内に長くとどまるもの、種や粒のように腸管に残りやすいものは避けるということだ。

普段の食生活では、野菜や海藻、きのこは健康的な食材である。しかし、大腸内視鏡検査の前日に限っては話が違う。

この日だけは、健康的かどうかよりも、腸に残りにくいかどうかが優先される。

ここを間違えると、当日の下剤がなかなか進まなかったり、腸がきれいになるまで時間がかかったりする。

せっかく検査を受けるなら、一度でしっかり見てもらいたい。そのためにも、前日の食事は意外と重要である。

ちなみに、ヨーグルトや牛乳などの乳製品、コーヒー、バナナについては、施設によって指示が分かれることがある。

したがって、ここは必ず自分が検査を受ける施設の指示を優先した方がよい。

この後、私自身が食べた実例を紹介するが、過去の検査ではプレーンヨーグルトやバナナを食べた。

私の施設ではこれらがNG指定されていないので食べているが、万人にそのままおすすめするというよりは、「施設の指示で禁止されていなければ候補になる」くらいの位置づけで考えておくと良いと思う。

大腸内視鏡検査・治療を受ける前日の食事実例

ここからは、私が実際に食べたメニューを紹介する。

まずは、ポリープ切除、つまりポリペク前日の食事である。

朝食:梅おにぎりとバナナヨーグルト

朝食は、梅おにぎりとバナナヨーグルトにした。

梅干しをほぐし、梅肉だけをご飯に入れて握ったもの。

梅干しはどうしようか悩んだが、ごく少量かつ前日の朝食ということで問題ないと判断した。

普段からお通じがあまり良くない方の場合は塩むすびなどを選んだ方が安心かもしれない。

栄養学的に言えば、バナナは比較的食物繊維が少ない一方で、栄養価の高い果物なので大腸内視鏡検査前後の食事に最適な食材だ。

バナナ約1本あたりの食物繊維は1.1gなのに対して、リンゴは1/8切れ約3個で1.4g含む。

昼食:カロリーメイトと紅茶

昼食は、カロリーメイトと紅茶にした。

カロリーメイトを食べたのは、おそらく10年以上ぶりだった。あのボソボソした食感が妙に懐かしく、学生時代を思い出した。

食後に原材料欄を見たら、アーモンドの記載があった。一瞬、「しまった」と思ったが、ナッツの塊が入っているわけではなかったので、大丈夫だろうと判断した。

結果的には、特に問題なかった。

ただし、今から人にすすめるならば、検査食やおかゆ・うどんの方が無難という言い方になる。

カロリーメイトは個人的には問題なかったが、万人にお薦めできるわけではない。

飲み物は紅茶にした。

普段はコーヒー派だが、ブラックコーヒーを飲むと胃が痛くなりやすい体質なので、この日は紅茶を選んだ。

コーヒーは腸管を刺激することでお通じの促進につながるので大腸内視鏡検査・治療の前日にはアリな食材なのだが、ミルク入りはNGで、ブラックコーヒー(砂糖はOK)である必要がある。

ちなみに、検査を行う施設によっては検査当日もコーヒーOKというところもあるが、コーヒーによる着色が検査へ影響する可能性を考えると当日は避けた方が無難だろう。

夕食:釜玉うどん

夕飯は釜玉うどんにした。

いつもなら、薬味としてネギをたっぷり入れて食べるのが好きなのだが、この日はネギを自粛。

当然ながら、天かす、ごま、海苔なども入れてはいけない。

繊維質を抜くと、必然的に炭水化物とたんぱく質中心の食事になる。

なんだか、10代の若者が好むような食事になっていることに気づいた。

釜玉うどんは、うどんと卵なので、検査前日の食事としてはかなり分かりやすい。

フォロー検査時に食べたもの

ポリープ切除後も、フォローのために何度か内視鏡検査を受けている。その時に食べたメニューも追記しておく。

朝食:食パンとプレーンヨーグルト

フォロー検査の時には、前日の朝食として食パン1枚とプレーンヨーグルトを食べた。

食パンはトーストにした。

焼いても焼かなくても、原理上、内視鏡検査上は大きな問題にはならない。

ただし、全粒粉パンやライ麦パン、ナッツ入りのパンは避けた方がよい。

パンを食べるなら、シンプルな白い食パンが無難である。

プレーンヨーグルトについては、先ほども書いたように、施設によって指示が分かれるのでそれに従うことが肝要だ。

昼食:豆腐入り稲庭うどん

この時はたまたま家に稲庭うどんがあったので食べたが、讃岐うどんでも問題ない。

大事なのは、野菜やきのこ、わかめなどの具を入れないこと。

豆腐はたんぱく質が中心で、検査前日の食事としては使いやすい。

うどんだけだと少し寂しいが、豆腐を入れるとそれなりに満足感が出る。

夕食:親子丼風、ただし鶏肉抜き

夕飯は、親子丼風のご飯にした。ただし、鶏肉は抜いた。

鶏肉を抜いた時点で、それを親子丼と呼んでよいのかは分からない。もはや卵丼である。

ただ、イメージはしやすいと思う。

ご飯に卵をのせたようなものなので、検査前日の食事としては比較的シンプルだ。

この時は、鶏肉の代わりに一口大に切った食パンを加えて、かさ増しした。

コンビニやスーパーで買うなら何がよいか

自炊が難しい人もいると思う。検査前日に仕事がある場合、昼食を外で済ませなければならないこともある。

その場合、コンビニやスーパーで買うなら、以下のようなものが候補になる。

買うもの おすすめ度 注意点
塩むすび 海苔なしが理想。ごま・雑穀入りは避ける。
白がゆ・レトルトのおかゆ 具入りではなく、白がゆが無難。
素うどん ネギ、わかめ、天かす、七味は入れない。
食パン 全粒粉・ライ麦・ナッツ入りは避ける。
豆腐・卵豆腐 薬味なしで食べる。
プリン 果肉・ナッツ入りは避ける。
果肉なしゼリー 果肉入りを選ばない。
カステラ ごま・ナッツ・チョコ入りは避ける。
スポーツドリンク、水、お茶 水分補給用。アルコールは避ける。
サラダ、野菜スープ、わかめ味噌汁 × 野菜・海藻・きのこ類は避けたい。
玄米おにぎり、雑穀米おにぎり × 食物繊維や粒が残りやすい。
揚げ物、ラーメン、カレー × 脂質が多く消化に時間がかかりやすい。

特にコンビニのおにぎりは注意が必要だ。海苔、ごま、雑穀、梅の種、昆布、わかめなど、意外と腸に残りそうなものが入っている。

迷ったら、塩むすびが一番わかりやすい。

飲み物は水分をしっかり。ただし施設の指示を優先

前日の食事と同じくらい大事なのが水分である。

私は前日、いつもより意識して水分を取るようにした。

飲み物としては、

  • お茶
  • スポーツドリンク
  • 紅茶
  • 具のないスープ

あたりが候補になる。

一方で、アルコールは避けた方がよい。

コーヒーについては、先ほど書いた通り施設ごとに扱いが異なる。

ブラックなら前日は可というところもあるが、当日は避けた方が無難だと僕は考えている。

牛乳や乳製品も同様で、施設の指示を優先したい。

実際、当日の腸管洗浄はどうだったか

では、今回の食事で当日はどうだったのか。

結論から言えば、かなりスムーズだった。

下剤を飲み始めてから、腸がきれいになって検査を受けられる状態になるまで、大体1時間程度で済んだ。

もちろん個人差はある。便秘気味かどうか、普段の食生活、下剤との相性、検査時間などによっても変わるだろう。

ただ、少なくとも私の場合は、

  • 前日の食事を消化に良いものにする
  • 繊維質や種を避ける
  • よく噛んで食べる
  • 水分をしっかり取る

という点を意識すると、当日の準備がかなり楽な印象がある(当たり前の話ではあるが)。

その後も何度か内視鏡検査を受けているが、いずれも腸がきれいになるまでの時間は大体1時間程度で済んでいる。

これは、前日の食事をかなり意識していることも関係しているのではないかと思っている。の回も大体1時間程度で済んでいる。

まとめ:検査前日は「おいしさ」より「残りにくさ」

大腸内視鏡検査や大腸ポリープ切除前日の食事は、普段の健康的な食事とは少し考え方が違う。

この日だけは、野菜たっぷり、食物繊維たっぷり、栄養バランスばっちり、を目指さなくていい。

むしろ目指すべきは、

腸に残りにくい、シンプルな食事

である。

迷ったら、専用の検査食を使うのも簡単で安心だと思う。

検査前日の食事は少し面倒だが、ここを丁寧にやっておくと、当日の下剤や検査がスムーズに進みやすい。

せっかく大腸内視鏡検査を受けるなら、一度でしっかり見てもらいたい。

そのための準備として、前日の食事は侮れないのである。

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ひろかず
医学研究者/論文ベースで解説。 論文情報に加えて記載している著者の見解は私見であり、医療判断は主治医とご相談ください。