最終更新:2026年8月
本記事は、以前公開したPREDICT Breastの使い方を、現在のWeb画面と最新の研究結果に基づいて全面的に更新したものである。掲載している操作画面は2026年8月にPREDICT公式サイトで確認したものである。

乳がんの手術後に、

「ホルモン療法を受けることで、どのくらい生存率が変わるのだろうか」

「抗がん剤を追加すると、実際にどの程度の利益が期待できるのだろうか」

と疑問に思うことがある。

こうした疑問を考える際の参考になる無料のオンラインツールが、PREDICT Breast(以下、PREDICT)である。

PREDICTは、年齢、腫瘍の大きさ、リンパ節転移、ER、HER2などの情報を入力することで、早期浸潤性乳がんの手術後に期待される生存率と、術後治療を追加した場合の上乗せ効果を推定するツールである。

公式サイトでは、似た特徴を持つ過去の乳がん患者のデータをもとに、異なる術後治療を行った場合に5~15年後までの生存率がどのように変化すると予測されるかを示している。患者自身が利用する場合には、医療者と相談しながら使用することが推奨されている。

ただし、PREDICTに表示される数字は、個人の未来を正確に予測するものではない。

本記事では、実際の画面を見ながらPREDICTの使い方を説明するとともに、表示された数字をどのように解釈すればよいのかについても解説する。

まず結論:PREDICTについて知っておきたいこと

PREDICTについて重要な点をまとめると、以下のようになる。

  • 早期浸潤性乳がんの手術後の予後を推定する無料ツールである
  • 5年、10年、15年後の生存率を推定できる
  • ホルモン療法、化学療法などによる生存率への上乗せ効果を確認できる
  • 最も参考になるのは、生存率そのものだけでなく「治療を加えることで何ポイント改善すると予測されるか」という絶対的な上乗せ効果である
  • 集団データに基づく推定値であり、個々の患者の未来や再発率を示す数字ではない

PREDICTは、治療方針を自動的に決めるツールではない。

ある治療によってどの程度の利益が期待できるのかを数字として可視化し、担当医と治療について考えるための補助ツールと考えるのがよい。

PREDICT Breastとは?

PREDICTは、英国で開発された乳がんの予後予測モデルである。

最初のモデルは2010年に報告され、英国の浸潤性乳がん患者のデータをもとに、手術後の全生存率および乳がん特異的生存を予測するモデルとして開発された 1)。

その後、HER2やKi-67を取り入れるなど複数回の改良が行われている。

2024年には、2000~2017年に診断されたより新しい英国の乳がん患者データを用いて再構築されたPREDICT v3.0が報告された。従来のモデルと比較して、近年改善している乳がんの予後をより適切に反映することを目的とした更新である 2)。

さらに2025年には、英国全体の17万例を超える乳がん患者データを用いてモデルを再構築したPREDICT v4.0が報告された。

v4.0はv3.1と比較して、予測値と実際の結果との一致や、予後の異なる患者を見分ける性能がわずかに改善している 3)。

このように、PREDICTの予測モデル自体は現在も改良が続けられている。

一方、研究として報告される予測モデルの更新とWeb版への反映は必ずしも同時ではない。そのため、本記事の操作方法については、2026年8月時点で実際に公開されているPREDICTのWeb画面に沿って解説する。

PREDICTで何がわかる?

PREDICTでは、患者と乳がんの特徴を入力すると、異なる術後治療を行った場合の生存率を比較できる。

例えば、

手術後に追加治療を行わない場合

と、

ホルモン療法を行った場合

さらに、

化学療法を追加した場合

などを比較できる。

PREDICT公式サイトでは、異なる治療の組み合わせについて最大15年後までの予測生存率を表示する。

ここで重要なのは、

「10年生存率が何%か」

という数字だけを見るのではなく、

「治療を追加することによって、生存率が何ポイント上昇すると予測されるのか」

を見ることである。

この治療による絶対的な上乗せ効果が、PREDICTを利用するうえで特に参考になる情報である。

PREDICTの使い方

まず、PREDICT公式サイトにアクセスする。

PREDICTは英語で表示されるが、入力する項目自体はそれほど多くない。

ただし、病理診断結果などが必要になるため、分からない項目を自己判断で推測して入力しないことが重要である。PREDICTの現在の画面にも、患者が入力内容を分からない場合には医療チームと一緒に利用するよう案内されている。

以下、実際の画面に沿って順番に説明する。

手順1:PREDICTを開始する

PREDICTのトップページを開く。

図1.PREDICTの開始画面。1-1の「Start Predict」をクリックすると入力画面へ進む。

1-1 Start Predict

青色の「Start Predict」をクリックする。

患者・腫瘍情報を入力するPredict Toolの画面へ移動する。

手順2:患者と乳がんの情報を入力する

次の画面では、患者の背景と乳がんの病理学的特徴を入力する。

図2.PREDICTの入力画面。2-1~2-14の項目を順番に入力する。

以下、画像の番号に沿って説明する。

2-1 DCIS only or LCIS only?

DCIS(非浸潤性乳管がん)またはLCIS(非浸潤性小葉がん)のみであるかを入力する。

浸潤性乳がんであれば「No」を選択する。

PREDICTは早期浸潤性乳がんについて術後治療を検討するために作られたツールであり、非浸潤がんのみの場合は対象としていない。

2-2 Age at diagnosis

乳がんと診断された時点の年齢を入力する。

現在の年齢ではない。

現在の画面では25~85歳の範囲で入力する仕様になっている。

2-3 Smoker?

喫煙状況を入力する。

現在の画面では、

Yes
または
Never or Ex

から選択する。

現在喫煙している場合は「Yes」、喫煙経験がない、または過去に喫煙していた場合は「Never or Ex」を選択する。

喫煙状況はv3.0で追加された入力項目の一つであり、主に乳がん以外による死亡リスクの推定にも関係する。

2-4 Post Menopausal?

閉経状況を入力する。

閉経後であれば「Yes」、閉経前であれば「No」、不明な場合には「Unknown」を選択する。

閉経状況は、後述するビスホスホネートによる治療効果の計算などに関係する。

2-5 ER status

ER(エストロゲン受容体)の検査結果を入力する。

ER陽性なら「Positive」、ER陰性なら「Negative」を選択する。

PREDICTではER陽性乳がんとER陰性乳がんについて別々の予後モデルが用いられている。

2-6 Progesterone Status

PR(プロゲステロン受容体)の検査結果を入力する。

「Positive」「Negative」「Unknown」から選択する。

PRも現在のPREDICTで予後推定に利用される因子の一つであり、v3.0では入力情報として追加されている。

2-7 HER2/ERBB2 status

HER2の検査結果を入力する。

「Positive」「Negative」「Unknown」から選択する。

HER2陽性の場合には、後のTreatment Optionsでトラスツズマブによる治療利益を選択できる。

2-8 Ki-67 status

Ki-67の結果を入力する。

「Positive」「Negative」「Unknown」から選択する。

現在のPREDICT画面には、

Positive means more than 10%

と表示されている。

したがって、PREDICT上では10%を超える場合をPositiveとして入力する仕様となっている。

ただし、これはPREDICTという予測モデル内で使用される分類であり、乳がん診療全体においてKi-67を一律に10%で陽性・陰性へ分類するという意味ではない。

2-9 Invasive tumour size(mm)

浸潤がん部分の大きさをmm単位で入力する。

現在の画面では、複数の腫瘍がある場合には最も大きい腫瘍のサイズを入力するよう案内されている。

また、術前薬物療法を受けた場合には、術前治療を開始する前の腫瘍径を入力するよう表示されている。

どの値を入力すべきか判断しにくい場合には、自己判断せず担当医に確認する方がよい。

2-10 Tumour grade

病理診断で評価された組織学的グレードを入力する。

Grade 1、2、3から選択する。

一般にgradeが高いほど腫瘍細胞の形態が正常細胞から大きく異なり、増殖性の高い性質を持つ傾向がある。

腫瘍径やリンパ節転移数とともに、PREDICTの予後モデルに用いられる主要因子の一つである。

2-11 Detected by

乳がんがどのような経緯で発見されたかを入力する。

「Screening」は検診で発見された場合、「Symptoms」は症状を契機として発見された場合である。

分からなければ「Unknown」を選択する。

発見契機もPREDICTの予後予測に利用される情報の一つである。

2-12 Positive nodes

転移が認められたリンパ節の個数を入力する。

単なる「リンパ節転移あり・なし」ではなく、陽性リンパ節の数が必要である。

リンパ節転移数は、PREDICTにおける重要な予後因子の一つである。

2-13 Micrometastases only

リンパ節転移が微小転移のみであったかを入力する。

現在の画面ではPositive nodesが「1」の場合にこの項目が有効になる。

「Yes」「No」「Unknown」から選択する。

自分で転移巣の大きさから判断するよりも、病理診断結果でどのように分類されているかを確認する方が確実である。

2-14 Has the cancer spread(metastasis)?

遠隔転移の有無を入力する。

「No」「Yes」「Unknown」から選択する。

PREDICTは手術を受けた早期浸潤性乳がんについて術後治療を検討するツールである。遠隔転移を認める乳がんについては、このモデルを早期乳がんと同じように予後予測へ利用することはできない。

入力項目が分からない場合は推測しない

ここまでの入力項目の多くは、手術後の病理診断結果などから確認できる。

一方、Ki-67、tumour grade、positive nodes、micrometastasesなどは、病理結果を見慣れていなければ判断しにくい場合がある。

分からない項目を適当に入力すれば、当然ながら予測結果も変化する。

PREDICTを実際の治療について考えるために利用するのであれば、不明な項目は担当医に確認したうえで入力することを勧める。

手順3:術後治療を選択する

患者と腫瘍について必要な情報を入力すると、画面下部にTreatment OptionsResultsが表示される。

次の画像では、

左側の3-1~3-5がTreatment Options、右側の4-1~4-5がResultsである。

図3.PREDICTのTreatment OptionsとResults画面。左側3-1~3-5で治療を選択し、右側4-1~4-5で予測結果を確認する。

3-1 Radiotherapy

放射線治療の有無を「No」「Yes」から選択する。

現在のPREDICTでは放射線治療もTreatment Optionsに含まれている。

ただし、画面にも説明されているように、乳房への放射線治療の重要な目的は手術後の局所再発を減らすことである。

したがって、PREDICTに表示される生存率への効果だけを見て、放射線治療の利益全体を評価することはできない。v3.0では、放射線治療の利益だけでなく、一部の非乳がん死亡への影響もモデルに取り入れられた。

3-2 Hormone Therapy

ER陽性乳がんではホルモン療法を選択できる。

現在の画面では「No」「5 Years」「10 Years」から選択する。

ホルモン療法を5年間行った場合、10年間行った場合などについて、生存率への影響を比較できる。

ただし、実際にどの薬剤をどのくらいの期間使用するかは、再発リスク、閉経状況、副作用などを含めて決定される。

PREDICTの数字だけからホルモン療法の期間を決めるものではない。

3-3 Chemotherapy

化学療法については、現在の画面では、

「None」
「Standard-dose, anthracycline-based」
「High-dose, anthracycline- or taxane-based」

などのカテゴリーから選択する。

ここで表示されるのは、個々の抗がん剤レジメンそのものについての治療効果ではない。

PREDICTではランダム化比較試験などから推定された化学療法による相対的な死亡リスク低下をモデルに組み込み、絶対的な治療利益へ換算している。

そのため、

「自分が予定している化学療法によって、表示された数字だけ生存率が上がる」

そのまま解釈することはできない。

3-4 Trastuzumab

HER2陽性乳がんでは、トラスツズマブによる治療利益を選択できる。

HER2陰性の場合には選択できない。

現在のHER2陽性乳がんではトラスツズマブ以外にも複数のHER2標的治療が存在する。

したがって、PREDICTが現在利用可能なすべてのHER2標的治療を個別に評価しているわけではない。

3-5 Bisphosphonates

閉経後乳がんでは、ビスホスホネート製剤について「No」「Yes」を選択できる。

PREDICTでは、臨床試験などから得られた治療効果を利用して生存率への上乗せ効果を推定している。

手順4:予測結果を確認する

ここからは、図3の右側、4-1~4-5を見る。

4-1 結果の表示方法

結果は、

Table / Icons / Curves / Chart / Texts

から選択できる。

これは異なる予測結果を示しているのではなく、同じ結果を異なる形式で表示するための機能である。

自分が理解しやすいものを選べばよい。

4-2 5年・10年・15年

予測結果を、

5年 / 10年 / 15年

の時点で切り替えることができる。

PREDICTは最大15年後までの生存率を推定するモデルである。

4-3 Additional benefit as part of treatment combination

PREDICTを利用するときに、特に注目したい項目である。

Additional benefitは、選択した治療の組み合わせの中で、その治療によって期待される絶対的な生存利益の上乗せ分を示している。

例えば、仮に10年後の予測生存率が、

ある治療を行わない場合:80%

その治療を行う場合:83%

と表示されたとする。

この場合、その治療による絶対的な上乗せ効果は、

3ポイント

である。

同じような特徴を持つ100人の患者がいると仮定した場合、モデル上は、その治療によって10年時点で生存する患者が約3人増えると推定される、という考え方になる。

これは、

「自分の生存確率が必ず3%上がる」

という意味ではない。

また、

「その治療が自分に3%だけ効く」

という意味でもない。

あくまで、似た特徴を持つ患者集団から推定された平均的な絶対利益である。

また、現在の画面にも記載されているように、ある治療を追加・削除すると他の治療について表示される上乗せ効果が変化することがある。

したがって4-3の数字は、他の治療とは無関係な「その治療固有の絶対的効果」と考えるのではなく、現在選択している治療の組み合わせの中で示される追加利益として読むのが適切である。

3ポイントの上乗せ効果を大きいと考えるか?

ここには一律の正解はない。

例えば、化学療法による10年生存率への上乗せ効果が3ポイントと推定された場合、

「3ポイントでも利益が期待できるなら治療を受けたい」

と考える人もいれば、

「期待される利益と副作用を比較して慎重に考えたい」

と感じる人もいる。

年齢、基礎疾患、副作用への考え方、仕事や家庭環境などによって、同じ数字でも意味は変わり得る。

PREDICTの役割は治療を自動的に決めることではなく、

「この程度の利益が期待される治療について、自分はどう考えるか」

を担当医と具体的に話し合うための材料を提供することにある。

4-4 % survival for those taking treatment combination

選択した治療の組み合わせを受けた場合に、指定した時点まで生存すると予測される割合が表示される。

例えば図3では、手術のみの場合について10年時点で98%と表示されている。

ただし、

「自分が10年後に生存している確率は98%である」

という個人の未来を示しているわけではない。

PREDICTは、入力した条件と似た特徴を持つ過去の患者集団をもとに予測した値である。

4-5 Show ranges?

「Show ranges?」で「Yes」を選択すると、予測結果について一点の数字だけではなく幅を含めて表示できる。

予測モデルの数字には不確実性が存在する。

例えば、

「10年生存率83%」

という一点の数字だけを見ると非常に正確な値のように感じるが、モデルによる推定値である以上、ある程度の幅を持って解釈する必要がある。

特に数ポイント程度の治療利益について考える場合には、一点の数字だけを絶対視しないことが重要である。

日本人にもPREDICTは使えるのか?

PREDICTは英国の乳がん患者データから開発されたモデルである。

そのため、日本人患者にも同じように利用できるのかは重要な問題である。

2021年には日本人乳がん患者を対象としてPREDICT v2.2が検証され、集団全体では5年・10年全生存率を比較的良好に推定できることが報告された。

さらに2026年には、国立がん研究センター中央病院で手術を受けた日本人乳がん患者2,980例を対象として、PREDICT v2.2とv3.0を直接比較した研究が報告された。

その結果、両モデルとも実際の生存率をやや低めに予測する傾向が認められたが、v3.0ではv2.2より予測値と実際の生存率との一致が改善していた。

一方、予後の異なる患者を見分ける性能については、すべての点でv3.0がv2.2を上回ったわけではない。

また、10年時点では追跡できている患者数が少なくなるため、この研究では10年予測については探索的な結果として慎重に解釈すべきとされている。

このため、

「PREDICTは英国のツールなので日本人には使えない」

と考える必要はない。

一方で、

「表示された数字が日本人個人の予後を正確に示している」

と考えることも適切ではない。

なお、2025年に報告されたv4.0については、現時点では日本人集団でv3.0と同程度に検証されたデータはまだ十分ではない。

PREDICTを使うときの4つの注意点

1.PREDICTは再発率を予測するツールではない

これは特に誤解しやすい点である。

PREDICTが主に示すのは生存率と術後治療による生存利益である。PREDICT公式サイトも、異なる治療を行った場合に最大15年間でどの程度の患者が生存すると予測されるかを示すツールとして説明している。

したがって、

10年生存率90% = 10年以内の再発率10%

と計算することはできない。

乳がんが再発しても、その後長期間生存する患者もいるため、再発と死亡は同じイベントではない。

PREDICT v3.0の開発研究でも、再発を直接予測するモデルではないことが限界の一つとして扱われている。

2.現在の乳がん治療すべてを評価できるわけではない

乳がんの術後治療は継続的に進歩している。

一方、PREDICTは現在利用可能なすべての薬剤や治療を一つずつ評価するツールではない。

また、HR陽性・HER2陰性乳がんでは、多遺伝子アッセイなどPREDICTには含まれない情報が治療選択に重要になる場合もある。

PREDICT v4.0の論文でも、将来的な改良候補の一つとして腫瘍ゲノムリスクスコアなどの導入が挙げられている。

したがって、PREDICTの結果だけで化学療法などの要否を判断するものではない。

3.副作用やQOLを総合的に評価するツールではない

治療による利益だけでなく、副作用も治療選択では重要である。

PREDICT公式サイトも、治療には利益だけでなく副作用があるため、両方を考える必要があるとしている。

例えば、ホルモン療法では関節痛やほてりなどが問題になることがあり、化学療法では脱毛や末梢神経障害などが生活に影響することがある。

PREDICTで示される生存利益と、個々の副作用やQOLへの影響は分けて考える必要がある。

関連記事:アロマターゼ阻害薬による関節痛はいつまで続く?原因と対策を論文から解説

4.PREDICTだけで治療を決めない

PREDICTは治療選択を補助するための予測モデルである。

実際の治療方針には、年齢、基礎疾患、病理学的特徴、必要に応じた遺伝子検査、治療による副作用、本人が何を重視するかなど、PREDICTだけでは十分に評価できない要素も関係する。

PREDICT公式サイトも、患者は医療者と相談しながら利用するよう案内している。

まとめ

PREDICTで特に参考になるのは、生存率そのものだけではなく、治療を追加したときにどの程度の上乗せ効果が期待されるかという点である。

日本人乳がん患者を対象とした検証でも一定の有用性が示されているが、PREDICTの数字はあくまで集団データに基づく予測値であり、不確実性を伴う。

治療によってどの程度の利益が期待できるかを具体的な数字で確認し、担当医と治療について考えるための材料として利用するのが、PREDICTの適切な使い方である。

参考文献

  1. Wishart GC, et al. PREDICT: a new UK prognostic model that predicts survival following surgery for invasive breast cancer. Breast Cancer Res. 2010;12:R1.
  2. Grootes I, Wishart GC, Pharoah PDP. An updated PREDICT breast cancer prognostic model including the benefits and harms of radiotherapy. npj Breast Cancer. 2024;10:6.
  3. Pharoah PDP, et al. PREDICT breast v4.0: an update to the PREDICT breast prognostic model. BMC Research Notes. 2025;18:482.
  4. Zaguirre K, et al. Validity of the prognostication tool PREDICT version 2.2 in Japanese breast cancer patients. Cancer Med. 2021;10:1605–1613.
  5. Hashiguchi H, et al. Validation of the postoperative prognostication tool PREDICT version 2.2 and 3.0 using data from the National Cancer Center Hospital in Japan. Breast Cancer. 2026.
  6. PREDICT Breast. University of Cambridge.

この記事について
本記事はPREDICT公式情報および医学論文をもとに、乳がんの予後予測ツールについて一般向けに解説したものである。PREDICTが示す値は集団データに基づく推定値であり、個々の患者の予後を確定するものではない。また、本記事およびPREDICTの結果だけをもとに治療を開始・中止することを推奨するものではない。実際の治療方針については担当医と相談する必要がある。

ABOUT ME
ひろかず
医学研究者/論文ベースで解説。 論文情報に加えて記載している著者の見解は私見であり、医療判断は主治医とご相談ください。