がんと治療と家族の毎日

ステージ4 進行胃がんと戦う父の闘病記録を中心に、がんについてあれこれ綴っていくブログ。

代替医療を検討するがん患者が知っておくべき基礎知識。その2

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先日に続いて、代替医療シリーズ第二弾。

 

今回は、代替医療を検討するにあたり知っておくべき現行医療における代替医療の位置付けについてまとめたい。

 

  

そもそも代替医療って

正式には補完代替医療と呼ばれることが多い。
補完医療 = 標準的な治療を補うもの。
代替医療 = 標準的な治療に取って代わるもの。
これらをひとまとめに合わせたものが、補完代替医療だ。

字面だけだと分かりづらいが、簡単に言えば、病院で一般的に行われる外科的切除、抗がん剤治療、放射線治療という三大治療以外を総称したものと言える。

その中には、伝統医療である鍼灸だったり、ビタミンやサプリメント、健康食品のような民間療法、食事療法、さらには一部の病院で実施している自由診療の枠で行う治療もここに含まれる。

 

治療にかかるお金の観点で言えば、1回で千円くらいから百万円単位のお金がかかるシロモノまである。

 

真っ当なものから怪しそうなものまで幅が広く、まさに有象無象の集まり、玉石混淆といった状態と言える。

 

ちなみに、代替医療を選びやすい人は、年齢が若く、高学歴、高収入、女性の患者というデータが出ており、これは日米ともにほぼ共通した特徴のようだ。


代替医療の多くは科学的な裏付けが弱い

まず最初に断っておくが、僕個人は補完代替医療全てを完全否定する立場ではない。

 

実際、鍼灸のように、抗がん剤による吐き気や嘔吐の改善に有効なことが科学的な臨床試験から明らかにされているものもある。

 

一方、がんの治療という観点では現状で科学的有効性が十分に証明された代替医療はほとんどなく、多くのものについてはなんとも言えないというのが正直なところだ。

 

代替医療のサイトによっては、試験管内(ラテン語でin vitroと表される)のがん細胞に対する効果や動物モデルに対する効果がアピールされているものもあると思うが、実はそのレベルで有効性がある物質は世の中に無数に存在しており、有効性を示す根拠としてはあまり参考にならない。

なぜなら、そのような物質のうち、実際にヒトを対象とした臨床試験で安全性と有効性が証明されるものは極めて少なくなるためだ。

 

近年、西洋医学と同じく科学的な臨床試験に基づき代替医療の有効性を評価しようという動きが海外を中心に進んでいるが、それもまだ道半ばだ。

 

もし治療を目的として代替医療について検討する場合は、上記の理由から慎重に検討した方が良いのではないかと個人的には思っている。

 

以前紹介したが、一部のがん患者の生存率について標準治療(手術・抗がん剤・放射線治療など)と代替医療を比較すると、代替医療の方が悪いという報告が既になされていることからも慎重を期すべきだと言えるだろう。

 

 

科学的な裏付けが弱いことの何が問題か

科学的な検証を受けていない代替医療の中にも個人によっては実際に治療効果の高いものはあるかもしれない。

 

実際、そのような成功例が声高に様々な媒体で宣伝されているのだと思われるが、同様の効果が別な患者にもあるのかはなんとも言えない。

 

科学的に有効性が検証されていないものは、例えて言うならハズレとアタリの割合が不明なくじ引きと言える。

 

宝くじの6等(10枚に1枚)が当たるような頻度で患者に効果があれば現実的だが(それでも実際の医療を考えると十分とは言えないが)、確かに効果はあるものの宝くじの1等(1000万枚に1枚)を当てる頻度でしか効果がないのであれば目も当てられない。


当たりを引ける確率がどのくらいなのかわからないのに、一か八かで安全性が担保されない代替医療に挑戦するのは大きなリスクがあると言わざるを得ないだろう。

 

それでも代替医療を考える場合

とは言え、標準治療をしても予後が良くないがんだったり、標準治療を全てやり尽くして打つ手がなくなってしまったり、主治医が信頼できず標準治療以外を探していたり、標準治療に加えてがんを治すためにやれることは全てやりたい、という方もいるだろう。

 

実際にがん患者の家族になって、患者やその周りの気持ちも良くわかる。

 

治療の選択は最終的には個々人の判断だ。

 

ただ、一つだけ覚えておいた方が良いと思うのは、あまりにも高い金額の代替医療には注意した方が良い、ということだ。

 

たまに、お金持ちは一般人と違い特別な治療を受けているんだろうと思い込んでいる方を見かける。

 

しかし、アメリカならまだしも、日本では高いお金を出した方がより良い治療を受けられるということはない。

 

多くの人に効果が見込まれるからこそ保険適用され全国一律の金額で治療が受けられるわけで、目玉が飛び出るような金額を出さなければ受けられない治療は逆に言えば肝心な効果や安全性が担保されていないからこそ、その金額になる。

 

多くの方が普段の買い物では少なからず費用対効果を考えるだろう。

 

命に関わる問題ではあるが、効果が不明なものに対して少しだけ冷静にその視点も交えて検討すると良いのではないだろうかというのが個人的な意見だ。

 

また、抗がん剤などと代替医療を併用した場合、モノによっては抗がん剤の効果に影響を及ぼす可能性もある。

 

上記の観点から、代替医療を検討する際には冷静に助言をくれるであろう主治医と相談しながら慎重に進めるのが良いと思う。

 

代替医療シリーズの次回は、良い点悪い点含めたデータを示しつつ具体的な代替医療について紹介してみたいと思う。