大腸がん治療経過

大腸内視鏡検査を受ける際の病院選びのポイント

個人的には当初から自分の勤めている病院以外はあまり考えていなかったのだが、消化器外科の友人は自宅の近隣のクリニックで受けたとの話を聞いた。

そこで、大腸内視鏡検査を受けるにあたり、場所ごとにどんなメリット・デメリットがあるのか実際に内視鏡をやっている消化器専門の友人達に色々聞いてみたのでまとめておきたいと思う。

端的に言ってしまえば、最近では多くの病院で検査時に鎮静剤を使用するため、痛みや苦しさという点ではどこでやっても大差ない場合が多く、利便性と確実性のどちらに比重を置くかがポイントになる。

内視鏡を受けるならどこ

内視鏡検査を受ける上で、専門部署を有する大きな病院とそうではないクリニックという、大きく分けて2つの選択肢がある。

大きな病院 (内視鏡専門部署有り)

メリット

内視鏡の術者のクオリティが担保されている点。

検査時に、迅速かつ丁寧・確実に見てもらえる。

大腸に関しては、術者の手技の差が様々な点(検査の時間や痛み、病変の検索、切除など)で出やすいため、ここが担保されることは大きい。

特に、病院への主な来院手段が車となるような地域では鎮静剤が使えないので、この点を重視した方が痛みの少ない検査になる可能性が高い。

実際、定期的に内視鏡検査にも携わっている外科の同期曰く、当たり前の話ではあるが、内視鏡を専門でやってる人達の手際はやはり違う、という見解だった。

また、内視鏡検査は比較的安全な検査であるが、大きな病院では術中、術後に何かあった時のバックアップにも安心感がある点が挙げられる。

デメリット

予約を取って検査を受けるまでクリニックに比べて時間がかかる。

また、大きな病院の多くでは、ポリープや早期癌が見つかったとしても日帰り手術はできず、入院して改めて切除することがほとんどとなる。

つまり、ポリープなどがあった場合、検査で1回、切除で1回と合計2回も大腸内視鏡を受けなければならず、非効率的な点が明確なデメリットだろう。

クリニックや小規模病院 (内視鏡専門部署無し)

メリット

検査を実施するまでの期間が短いこと。

さらに、ポリープが見つかった場合、検査と同時に切除が可能な点に大きなメリットがある。

大きな病院では切除後の出血などのリスクを自前で管理するため入院が必須となるが、当日中に検査と切除を同時に行うクリニックの多くはその点を自前では担保せず大きな病院に任せるため、日帰り切除が可能だ。

(もちろん、クリニックも術中は最大限のリスク管理を行うだろうし、リスクが高い物については大きな病院へ紹介になるだろうが)

時間という点に関してはこちらの方が圧倒的に有利だ。

デメリット

内視鏡の術者のクオリティにばらつきがある点。

もちろん内視鏡を専門とする先生がやっているクリニックや、年間の内視鏡症例数が非常に多い病院もあるが、そうではない所も存在する。

検査を受ける側からすると各病院の内情を詳細に把握することは困難であるため、内視鏡の専門部署を有する病院に比べて経験が不十分な医師だったり、内視鏡を専門としない医師に当たる可能性がある。

上述したが、鎮静剤を使わずに検査をするような状況の場合、手技の差を強く体感することになるため、ここは大きなポイントになるだろう。

まとめ

  • 内視鏡を専門とする部署(内視鏡科や内視鏡センターなど)が設置されている病院
  • 年間の内視鏡症例数が1000件を変えるような病院(肛門専門の病院など)

これらを選べば術者の観点では間違いが少ないと思われる。

一方、クリニックは大きな病院に比べて時間的なメリットが大きく、毎日仕事でなかなか休みが取れない人には向いているだろう。

検査を受ける側としては、各病院の診療実績をチェックして、経験の豊富な医師がいるクリニックを選ぶことが最適解かもしれない。