CG428とは?抗がん剤の脱毛ケア|エビデンス・口コミ・代替策を中立整理
この記事でわかること
抗がん剤治療に伴う脱毛や薄毛は治療中に多くの方が体験する可能性があり、外見だけでなく気持ちにも大きな影響を与えると思います。
CG428は「抗がん剤治療中でも使える」「再発毛を助けるかもしれない」といった文脈で話題になる一方、検索すると様々な体験談(口コミ)が多く、実際のところはどうなのか…と感じている方も多いはず。
口コミは参考にはなりますが、当然ながら効果の証明(根拠)ではありません。
本記事では、CG428の現状を正しく理解した上で選択の判断ができるように、中立の立場から次の5点を整理したいと思います。
- CG428とは何か(概要と位置付け)
- 科学的な根拠(エビデンス)から言えること/言えないこと
- 口コミ判断のポイントと代表的な口コミまとめ
- 乳がん治療ごとの脱毛傾向の違い
- CG428以外の脱毛ケアの選択肢
はじめに結論
- CG428は脱毛後ケアとして注目されている一方、公開されている研究情報は非常に限定的で、科学的な根拠は少ない
- 口コミは判断材料にはなるものの、様々なバイアス(偏り)があり、あくまでも参考として扱う方が無難(例: 自然回復(時間経過による回復)と切り分けが難しく、効果の真偽が不明)
CG428とは(概要と位置づけ)
CG428は、乳がん治療などに伴う脱毛・薄毛の不安がある方の間で話題になることがある頭皮用ローション(スカルプケア)の一つです。
とくに、抗がん剤後の再発毛が思うように進まないケースや、ホルモン療法中の薄毛(前頭部〜頭頂部の密度低下など)に悩む方が情報収集の過程で目にすることが多いと思います。
植物由来の成分を組み合わせて出来ており、米国のがん研究機関(NCI)の情報では、頭皮に塗ることで、髪の根元の細胞の“入れ替わり”の乱れを整えたり、頭皮の炎症を抑えたりして、抗がん剤による脱毛を和らげる可能性がある、と説明されています1https://www.cancer.gov/publications/dictionaries/cancer-drug/def/botanical-lotion-cg428(※「可能性」であり、効果を保証する意味ではない)。
日本では医療機関やインターネットなどで販売されており、頭皮ケアの補助的な選択肢の1つとして考えられます。
しかし、下記で解説する通り、CG428についての科学的根拠(エビデンス)は多くはなく、個人の体験(口コミ)ベースとなるため、使用する価値があるのか否かについては冷静に検討する必要があると考えられます。
科学的根拠から言えること/言えないこと
ここでは、CG428について「研究として公表されている情報」を総論的にまとめたいと思います。
論文として発表されている研究結果については詳細な解説を別記事2https://www.survive-gastriccancer.com/effect-of-cg428-for-cia/でまとめてありますので、そちらをご参照ください。
CG428に関する論文はどのくらいある?
CG428について、科学論文として公開されている研究は現時点では非常に限られており、世界最大級の医学論文データベースであるPubMedで検索しても、該当する文献は1件しか確認できません(2025年12月時点)。
一方で、論文ほどの信頼性は担保されないものの、日本国内では学会での研究発表が何回か行われているようです。
一般的に、第三者が研究内容を十分に評価・検証できるようになるのは詳細な手法や結果が論文として公開された後であり、科学的根拠としての評価は論文ベースとなります。
そのため、現状のCG428は、効果などを科学的に判断するための「しっかりとしたエビデンス」がほとんど無い、という状況と言えます。
詳細(論文ベースの解説)はこちら
唯一論文として報告されている研究やCG428の科学的根拠について深掘りした情報は、下記でまとめています。
CG428のエビデンス解説(論文ベース)
安全性に関して
CG428を販売しているサイトでは、
- 多くの育毛剤は血行促進成分がある
- CG428は血行促進成分を含まないため抗がん剤治療中も使える
という説明をよく見かけます。
しかしながら、実際に患者さんに使用して安全であるということを示した科学的なデータは少なくとも公表はされていません。
以前、抗がん剤治療中の患者さんに対する安全性を評価する研究が国内で実施されていましたが、結果について論文報告されておらず、詳細を判断することは困難です。
販売サイトの説明は、あくまでも“理屈(想定されるメカニズム)”としての説明であり、科学的根拠は弱いということは認識しておく必要があります。
一方で、抗がん剤治療後に髪が戻りにくい人を対象とした試験では、参加人数は少ないものの、6ヶ月間の使用では安全上の大きな問題はなかったことが確認されています3https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/31338640/。
口コミ判断のポイントと代表的な口コミまとめ
「CG428 口コミ」というキーワードで検索する方は多いと思います。
ただし、口コミは効果の証明ではなく、あくまでも体験の共有ですので、効果の再現を保証するものではありません。
冷静な判断をする上で役立つ、口コミを見る際のポイントと代表的な口コミを論点別に良い点、悪い点を併記して紹介します。
口コミ判断のポイント
参考にする際に気をつけるべきポイントは、
- 自然回復(時間経過)と区別がつきにくい(CG428を使わなくとも自然に回復)
- 投稿バイアスがあり得る(良かった人ほど書く、など)
- 併用しているケア(頭皮冷却など)で結果が変わり得る
という点です。
代表的な口コミ例
よく見かける口コミを要約してまとめると以下のようになります。
| 論点 | よくある口コミ(ポジティブ) | よくある口コミ(ネガティブ) |
|---|---|---|
| ローションとしての安心感 | ・「血行促進成分がない」設計なので、抗がん剤治療中・治療直後でも使える点が安心という声が多い。 ・ホルモン療法中でも使えるという説明に安心した、という口コミも。 |
・頭皮トラブル(湿疹/赤み等)があると中断推奨など注意事項があり、「誰でも無条件にOKではない」と感じる人も。 |
| 使用感(刺激・ベタつき・香り) | ・刺激が少なく使いやすい、清涼感目的の成分がなく「つけた感が強くない」点が好評。 ・香りが「微香性のミント」とされ、強い匂いが苦手でも使いやすいという声。 |
・「ほんの僅かにベタつく」と感じる例。 ・柑橘っぽさ/玉ねぎっぽさなど、香りの好みが分かれるという声。 |
| 実感度(髪の回復/発毛の手応え) | ・「少しずつ髪が生えてきた」「手応えがあった」など、回復の後押しを感じた口コミ。 ・爪への影響(黒ずみ等)に関して「効いた気がする」という体験談もある。 |
・短期(1か月)では変化を感じにくい、というレビュー。 ・科学的根拠(論文)が少なく、効果の確実性は弱いという指摘。 |
| 使い方の簡単さ | ・スプレーで頭皮に塗布でき、ルーティン化しやすいという声。 ・朝晩1日2回、5〜10スプレー目安など手順が明確。 |
・髪が長い時期は頭皮に届きにくく「塗りにくい」ことがある。 ・治療の副作用がつらい時は「朝晩きちんと続けるのが大変」という声。 |
| 価格(コスパ) | ・「1本で約1か月目安」と使用量の目安が分かりやすい。 | ・1本7,700円程度で「高価」と感じやすい。 ・費用が続かず途中で中断した、という口コミもある。 |
| 入手性(どこで買えるか) | ・病院や認定サロン等のルートで扱われることがあり、安心材料になるケース。 | ・購入方法が限定的で、以前より買いにくい/手間があるという声も(電話注文・着払いなど)。 |
乳がん治療ごとの脱毛傾向の違い
脱毛の回復は「いつ戻るのか」が見えにくく、不安を感じている方が多いと思います。
一口に脱毛と言っても治療によって傾向が異なっており、まずは正しく理解することが冷静な判断をする上でも重要です。
詳細は下記記事にて解説してありますので、ご自身の状況に応じた項目をご参照頂ければと思います。
抗がん剤とホルモン療法で脱毛の傾向が違う
抗がん剤による脱毛は治療終了後に回復が進むことが多いとされる一方で、ホルモン療法中は薄毛が長引く・続くと感じる方がいます。
当然、個人差がありますし、抗がん剤の種類によっても傾向が違うことが知られています。
抗がん剤治療による脱毛
ホルモン療法による脱毛・薄毛
CG428以外の脱毛ケアの選択肢
CG428には第三者が検証可能なしっかりとしたエビデンスがない、という結論にならざるを得ないのが現状です。
CG428以外の選択肢として、日本国内で実施可能な有望な脱毛症治療は下記にまとめてあります。